口腔探求者(oral seeker)のブログ

面倒くさがり屋な歯科衛生士と一緒に歯科について学ぼう

患者さんも歯科側も小さな器具の誤飲を防止しましょう。

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Twitterにも少し書かせていただきましたが、筆者が以前働いていた歯科医院で衝撃なことを聞いて恐怖に感じましたので、皆さんに参考として書かせていただきます。

 

 

筆者が恐怖に感じたこととは、上の写真にあります虫歯が歯の根っこまで進行した時に使う「リーマーファイル」という器具で歯の根っこの中をきれいに掃除したり広げたりしている時に、患者さんが「リーマーファイル」を飲みこんでしまい、病院で胸部レントゲンを撮らなければならなかったという事例があったことです。ですので実際にそのようなことがが現実で起こったことを皆さんに知ってほしいですし、患者さんも歯科側もこのようなアクシデントが起きないように防いでほしいです。

 

 

 

「リーマーファイル」だけでなく、歯科で使う器具は本当に小さい物が多いです。

歯を削るために器具に差し込んで使うバーも1㎝くらいのものもありますし、虫歯治療で使う銀歯も1㎝にも満たない物も存在します。

 

 

筆者が以前働いていた歯科医院の先生の話によりますと、どのドクターもアクシデントが起こらないように事前に練習しているそうなのでご安心いただきたいですが、それでも理想通りに治療がいかない場合があります。

 

 

歯を削る時に、口腔内に小さい器具の「バー」が落ちないようにあらかじめしっかりと「タービン」などの切削器具に「バー」が付いているか慎重に確認していますので、歯を削っている時はよほどのことがない限り「バー」が取れて口腔内に落ちることがありません。しかし小さな銀歯や「リーマーファイル」などの歯の根っこの治療に使う器具、インプラント治療でも小さな物が多いです。そこで、患者さんや医療側はどのようなことを注意された方が良いのか僭越ながら書かせていただきます。

 

ご存じの内容はスルーしてください。

 

 

まず歯科側にこのような患者さんが存在することを知っていただきたいのですが、筆者のように空気嚥下症(吞気症)という本人の意思にかかわらず、空気や唾液を「ごっくんごっくん」と飲みこんでしまう患者がいらっしゃいます。

 

空気嚥下症(呑気症)は、不安や緊張から空気を飲みこんでしまいます。飲みこみたくなくても舌の舌根部が勝手に動きます。

 

ただでさえ、歯科医院の治療は痛いし好んで行きたい場所ではないので緊張されている患者さんも多いです。

ですので、もし、患者さんの口腔内に小さな器具を落としてしまった時「舌を動かさないようにしてください」と注意を促しても、筆者のような空気嚥下症(呑気症)患者は、舌の舌根部が勝手に動き器具を飲みこむ可能性があります。ご注意いただきたいです。

 

 

そして患者さんに気を付けていただきたいことは、歯科医院へ治療前に歯磨きをいつもよりも丁寧に行ってから来院していただきたいです。歯の表面がぬるぬるしていないか確認してください。

 

口腔ケアをされていない唾液は、ぬるぬるとしていて小さな器具を滑らせて下へ落としそうになる時があります。また、口紅をされてくる女性の患者さんがいらっしゃいますが、口紅の油分が治療の妨げになりますので取り除いてから治療をお受けください。

 

もし、歯の大部分が虫歯で残っていない患者さんは、マウスウォッシュなどのうがい薬をしていただくだけでもぬるぬる感が取れて治療がしやすいです。

 

 

誤飲してしまった器具は、お腹の方に入れば3日から1週間で便に排出されます。歯科で使われているセメントなどの薬品などは、人間の身体に害のないものが使われています。セメントなどは知らないうちに飲みこんでしまった方も多いと思います。しかし「リーマーファイル」などは、まれに腹膜炎や腸閉塞を併発することもあるそうです。

ですので、治療中「リーマーファイル」などを誤飲してしまった時は、便に器具が排泄されるまで激しい運動はさけて繊維性の食品を摂取するようにしてください。そして、歯科医院で指示があると思いますが、レントゲンで移動位置の確認をする必要があります。

 

もし、器具が気管の方に入ってしまった場合、せき込み・呼吸困難或いは無症状の方もいらっしゃいます。気管に入った場合は、耳鼻咽喉科や気管専門医に摘出依頼他、大学病院などで全身麻酔のもとで内視鏡などで摘出してもらいます。

 

患者さんも歯科側も器具の誤飲を防止したいですね。